「売上拡大」 農産物直売所まつもとフレッシュ館お茶畑

回遊性を高めるレイアウト改善で売り場間を連動させ、更なる売上拡大へ

都市と農村の交流を図るグリーン・ツーリズム施設として、平成27年3月にオープンした鹿児島市都市農村交流センターお茶の里内にある農産物直売所。まつもと農業振興クラブが運営し、春山町松元地域の特産品であるお茶や農産物などの商品を189名の地元生産者が販売している。

 

相談のきっかけ

客数や売上はオープン以来順調に伸びており、もっと売上を伸ばせるはずとの思いはあるが、現在の店舗レイアウトやディスプレイでは限界を感じていた。あと1品買っていただくことが出来れば、客単価が上がり売上拡大に繋がる。さらに「お茶の里」松元地域の特産品であるお茶コーナーの強化も図りたい。そのためには店舗レイアウト・ディスプレイの専門家にアドバイスをもらいたいとのことで相談が寄せられる。

 

 

現状分析

店舗全体の活気があり、スタッフのモチベーションは高く、接客や品揃えなどは事業者努力を感じられ、顧客の満足度も高い店舗である。オープンより5年経過しているが、これまでも自助努力により順調に売上を伸ばしている。毎月売上会議を開き、売上目標の設定・達成率の共有、反省点の確認を行い改善に繋げるなど、売上に対する意識の高さは強みである。

店内レイアウト・売場の確認を行った結果、自然発生的な商品陳列のままに、カテゴリー毎の棚割りができていないことや、レジ位置に問題が見られることから、店舗レイアウトを変更することによって大きく改善されると判断した。そこで「回遊性を上げる店舗レイアウトに変更する」「カテゴリー毎に商品を集約した棚割、魅力的な商品陳列で買上率をアップさせる」ことを課題に設定し取り組むこととした。

生産者ごとの陳列で種類や価格が混在していた売場

 

支援内容

売上データから売上金額・数量を重視ポイントにABC分析を行い、売上構成比・カテゴリー毎の売場面積比などに基づいた売場づくりを行うことで更なる売上拡大が可能と判断した。

店舗レイアウト変更によってどのような効果を狙うのかスタッフの意思統一を図りながら、見せ場やついで買いを促す動線計画やゾーニング、売り場コンセプトの設定など、段階的なアドバイスを行った。売上の柱であるお茶コーナーは、納品側の都合に合わせた陳列からお客様の買いやすさを基準とした価格区切りへの変更を提案し、さらに、商品価値が上がる売り場演出などをアドバイスした。

相談者は、段階的なアドバイスを着実に実行し、その都度反省点・改善点をスタッフ全員と共有するよう努め、元々のモチベーションの高さを更なる行動力に移し、結果的に大きな全体の改善に繋がった。

 

支援のポイント

  • スタッフの意識が高いことから、一方的なアドバイスではなく、自主性を引き出し、目標に向けて気持ちを揃えるため何度もミーティングを重ねた。
  • 段階的なアドバイスを行い、着実に実行していただきながら、都度反省点・改善点を共有するよう努めた。
  • ターゲットに合わせた訴求力の高いポップ作成のアドバイスを行い、売り場演出を進めた。売場づくりやポップ作成を今後も継続できるよう考慮した。

種類・価格ごとに陳列を変更し、腰布で商品価値を高めた

以前のレジは客足の流れに逆らうように店内中心部に並んでいた

 

成果

店舗改善後の7月は歴史的な大雨や長雨の影響から客足が大幅に減少し、昨年同月と比べ100万円近い売上減となった。そのような状況の下、お客様目線に立った売り場づくりへと改善したお茶コーナーは昨年比111%、主通路を設け回遊性を上げたことで飲料・スイーツコーナーとの連動が図られ、ついで買いを増やすことができた惣菜コーナーは127%の売上増となった。今後は他のコーナーも同様に改善を図りたい。

レジ配置を店奥に変え、お客様がついで買いし易いコーナーを設置

店奥にあるスイーツコーナーをコーナーサインで目立たせた

平置き冷蔵ケースのお弁当売場をコーナーサインで目立たせた

相談者の声

以前は商品が探しづらくスタッフへ尋ねられるお客様が多かったが、アドバイスを元にコーナーサインを作成したことで、商品が見つけやすく買いやすい売場になり、スタッフの業務効率も上がった。お客様からの評判も良く、誉められすぎて恥ずかしくなるというスタッフもいた。

 

https://yorozu.smrj.go.jp/support/kagoshimayorozu_matumotofreshkan/

  

農産物直売所まつもとフレッシュ館お茶畑
〒899-2704
鹿児島県鹿児島市春山町1065-1
TEL(099)278-1482